ミズキユウタ30歳による、映画や音楽やお笑い芸人やその他イロイロについて思ったことと&何気ない日常を綴るブログです。


by hotel_rwanda
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カテゴリ:BOOKS( 6 )

こんなに仕事の空きがあるってのはいいもんだな、とおれは思った。でも同時に心配もした―――きっとおれたち、なんか競争をさせられるんだ。適者生存だ。アメリカにはいつも、職探しをする人々がいる。使える体は、いつでも、いくらでもいる。そしておれは作家になりたいんだ。ほとんどすべての人間は作家だ。歯医者や自動車の修理工になれるだろうなんて、全員が思いやしない。でも、自分は作家になれるとはみんな知っている。この部屋の五十人の男のなかでたぶん十五人が、おれは作家だと思ってることだろう。ほとんどすべての人間が言葉を使い、それを紙に書くことができる。つまり、ほぼ全員が作家になれるってわけだ。しかし幸運なことに、ほとんどの人間は、不幸なことに何者でもない。
(以上、チャールズ・ブコウスキー「勝手に生きろ!」より抜粋)

っつうことで、2年前の夏に『酔いどれ詩人になるまえに』という映画が公開されたときに買った、その映画の原作「勝手に生きろ!」を、いまさら読みました。

買ったはいいものの、読まずにホッタラカシで行方不明になってたその文庫本が、たまたま去年の秋の引っ越しの拍子に出てきて、「これは読まねば」と思って通勤用のカバンに入れながら、その間「ゴールデンスランバー」読んだり「漫画ブーム」が訪れたりして、またしてもホッタラカシになっていたのだけど、一ヶ月くらい前からチョビチョビ読み始めて、ようやく読了。

物語全体が全部で90個ぐらいの短いパートに分かれているので、通勤中のちょっとした時間に読むのに凄く合っていた。そして何よりも、「社会」「労働」に対して馴染むことができずに職を転々とする20才の作家志望の酒呑みが主人公、っつうのが満員電車に揺られて会社を行き来するシチュエーションで読むのに何よりもハマる。

それにしてもミクシィと違ってブログだと青臭いことをダラダラと垂れ流して書いてしまうのはナゼでしょうね。
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by hotel_rwanda | 2009-04-29 22:37 | BOOKS

漫画「モテキ」について

このあいだアッキー(友人。吉沢明歩では無い)がオススメしていた漫画「モテキ」。
その直球ど真ん中なタイトルがアタマの片隅に残って気になっていた矢先、愛読しているモバイルブロスの「真実一郎コラム」で、真実さんが「モテキ」を絶賛していたので、慌てて購入。

漫画「モテキ」とは…
「『モテキ』の主人公である藤本は、恋愛経験ゼロで派遣社員で眼鏡でブロガーの29歳。貯金も夢もなければ彼女もいない、そんな漆黒の20代を終えようとしていたある日、知り合いの女性たちから次々に連絡がくる。モテ期の到来だ。」(以上、真実さんのコラムより勝手に抜粋)。

と言っても、モテてモテてヤリまくるイケイケ漫画ではなく、むしろその逆。
色んな女の子から連絡が来て‘デート’をしているにもかかわらず、三十路目前ゆえ、もはや恋愛への(つーか‘彼女’という存在への)諦念と憧れがゴチャ混ぜになって発酵して収拾つかなくなっている29歳が、‘男子’から‘男性’へと成長(堕落)していくサマを、情けなく、醜く、そして美しく描いた漫画(たぶん)。

この主人公のモデルはまるでオレだ!

と思ってしまう30歳前後の「男子」はきっと自分だけではなく大勢いることでしょう。

こうして熱く語っている俺自身、別に‘恋愛経験ゼロ’ではないし、‘突然知り合いの女性たちから次々に連絡がくる’ような状況に陥ったことはいまだかつて無いけれども、漫画の中で描かれるエピソードの一つ一つが、ことごとくストライク。
更に、単なる男目線の「誰もが経験してきた苦い思い出(あるあるネタ)」に留まらず、登場する女の子によるダメ男の分析、女の子側の心理描写が秀逸。(なぜなら原作者が女性だから!単行本の「あとがき」で初めてそれを知って衝撃。)そんな点もこの漫画が凡百の‘草食系男子漫画’(そんなものは一冊も読んだことはありませんが)と一線を画する理由かもしれません。

もし今、ハタチの悶々としている自分に何かしら漫画と映画を勧めるならば、この「モテキ」と映画『童貞をプロデュース』を、「必ず読め、見ろ!」と力説したい。それによって20代後半の「恋愛経験」はだいぶ違ったもんになっている気がする。
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by hotel_rwanda | 2009-04-28 01:11 | BOOKS
これからは「ほぼ毎日」ブログ、というか日記、というかコレを書いていきたいと思う。

今日(3/25)は6連休の最終日だった。
なあんて言うと優雅に聞こえるけども、結局昨日も会社に行かざるを得ず、
今日も仕事の電話が1時間に1本くらいあって、あんま休んだ気分になれなかった。

とはいえ、連休中は映画を観に行きまくる予定だったのだが、過去最大規模で、「観たい映画」が無い。
何度「ぴあ」を立ち読みしても引っかかるものが無い。
自分のアンテナが鈍ったのか、それとも逆に鋭くなって、ハードルが高くなったのか。ま、どっちでもいいや。

で、そんなときは例によって「映画館でショボイの観るよりもDVDでオモロイのを!」キャンペーンを実施すべく、新宿ツタヤへ行く。そして、ツタヤで何か映画を借りるときは、いつも「未見のクラシック(名作)&映画館で見逃した最近作」の2本立てにしているわけで、今日はチャップリンの「街の灯」と、去年の秋に公開された「イーグル・アイ」を借りた。

チャップリンはともかく、よりによって「イーグル・アイ」って。他に借りるべきもんあったろうに。

1時間くらい店内をさまよって、いい加減選ぶのにも疲れて、安易に「レンタルランキング1位」に逃げてしまったのだった。で、家帰って早速「イーグル・アイ」を見る。まあ、フツー。映画公開時の「スピルバーグから全人類に警告」というコピーがデッカク入ったチラシは秀逸だった、と改めて思う。

以上、前置き。
以下、本題×2。

① たぶん、‘そんじょそこらの野球ファン’よりは、確実に‘マジな野球ファン’であると自負しているのだけど、確かにWBCは素晴らしかった。というか、WBCに出場した日本チームの戦いっぷり、というか、その試合にかける意気込みが素晴らしかった。

しかし。「サムライ、サムライ」って、ちとウルサ過ぎやしないか。中田英が日本W杯初出場を決めた直後にテレビのカメラ越しに言い放った名言「Jリーグも宜しく」が思い出される。

それはさておき、やはり個人的には今回のWBCは杉内と岩村と内川が優秀選手。青木が敢闘賞。岩隈がMVP。ダルは「やっぱり」信用ならん。

②「俺はまだ本気出してないだけ」という漫画を買った。40歳で、突然サラリーマンを辞めて漫画家を目指すダメ中年を描く脱力コメディ。
30歳で、突然サラリーマンを辞めて作家を目指そうか、とかなんとか、たまに考えなくも無いないだけに、読んでて笑うに笑えないのだけども、やっぱり笑ってしまう。

やっぱり人生は悲劇であり喜劇だなあ。その振れ幅がデカけりゃデカいほど、愉快な人生なんだろうなあ、と思う。
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by hotel_rwanda | 2009-03-26 00:57 | BOOKS
なんか忙しいときに限って「本を読まねば」という気持ちになる。

で、先々週くらいに買った文庫化された古川日出男の「ベルカ、吠えないのか」、ようやく読了。

村上春樹で言うところの、「ねじまき鳥~」と「世界の終わりと~」を足して2で割った・・・と言ってしまっては褒めすぎだろうか。

いずれにしても久々に「なんじゃこりゃあ!(こんな小説読んだ事無い)」という気分になったのは事実。
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by hotel_rwanda | 2008-11-27 01:54 | BOOKS
ここ数年「なぜ○○は××なのか」というタイトルの本がやたら増えた気がするけれど(そういう類の本は『若者はなぜ3年で辞めるのか』以外読んだことがないけれど)、インパクトの強さでこれに勝るものはないのではなかろうか。

ということで、タイトルに惹かれ、岡田芳郎・著 『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田市につくった男はなぜ忘れ去られたのか』を読んだ。

いま自分に何かしらの小説、漫画、ドラマを映画化する権利が与えられていたら、迷わずこれを選ぶ。

山形県酒田市の名家に生まれ、20歳にして父親が経営していた映画館‘グリーンハウス’の支配人となった‘佐藤久一’の半生を追ったノンフィクション。数々の伝説的なサービスと興行を積み重ね、山形県酒田市内の数ある映画館のうちの一つに過ぎなかった‘グリーンハウス’を、淀川長治をして「世界一の映画館」と言わしめるまでにしたのち、「お客様へのおもてなし」を更に追及する久一は、「今度は映像(映画)よりももっと臨場感のあるナマの舞台(演劇)で!」と、一念発起。上京して日生劇場で働くことになる。

が、ひょんなことからその日生劇場の‘食堂課’に配属され、それをきっかけに、故郷・酒田に戻ってフランス料理店を経営することになった久一。映画館時代と同様に、徹底的に‘お客様目線’に立ち、ときに‘やり過ぎ’レベルまでやってしまう久一のサービス精神とエンターテイナーとしての素質。気がつけば、その店は開高健や丸谷才一から「日本一のフランス料理店」と賞賛されるまでになる。

が、「お客様へのサービス」に気をとられ採算を度外視した久一の経営は、最終的には手にした名声を遥かに超える‘赤字’という現実を彼に突きつける。更に‘グリーンハウス’からの出火によって酒田市全体を焼き尽くした大火事‘酒田大火’が街の人々に残す忌まわしい記憶。久一が晩年に陥ったアルコール依存症。純粋すぎるがゆえ、余計に苦しむことになった‘愛人’と‘妻’との間の三角関係。

などなど、まるでスコセッシの映画(というか『アビエーター』)のような、‘狂気と情熱の間で揺れ続けた濃い半生’が、70歳を超える著者の丁寧な語り口で綴られていく。タイトルを聞いたときは「映画館」と「フランス料理店」という2つに全く繋がりを感じなかったのだけど、読み終えると、「お客様へ最上級のおもてなし(サービス)を提供する」という意味で、その2つは根っこで繋がっていたのだと痛感。そして、そうすることを自分自身の最大の喜びとして、強い信念を持ちつつも、ある意味では常に‘成り行き任せ’な久一の生き方は、はっきりいって凄くカッコイイ。

映画館でもコンビニでも牛丼屋でも高級ホテルでも、‘接客’に従ずる人間は全員必読の一冊だと思う。

それにしても映画館の支配人時代に、まさかのちに自分が「日本一のフランス料理店」の経営者になるなんて夢にも思っていなかっただろう。

いやあ、人生はホント何が起こるか分からないなあ!

と思わせてくれる物語は何であれやっぱり素晴らしい。
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by hotel_rwanda | 2008-04-30 23:50 | BOOKS

『死刑』 森達也

せっかくBOOKのカテゴリーを作っているのでたまには最近読んだ本のことでも書いてみようと思う。

オウム真理教を‘オウム側’から描いたドキュメンタリー映画『A』『A2』でおなじみの(?)森達也の最新著書『死刑』。

森達也本人が本の中で言っているように、コレは「死刑をめぐるロードムービー」であり、声高に死刑反対(存置)を訴えるものではない。ロードムービーがそうであるように、主人公(森達也)が、いろんな人に出会って、いろんなハナシを聞いて、いろんなことを考えて、悩んで、葛藤して、最終的に「何となく」結論らしきものに辿り着く。

そもそも死刑制度に賛成でも反対でもなかったが、如何に死刑制度について今まで無知であったかを痛感させられた。っつうのは、自分を含めてかなりの読者に共通する感想だと思う。

で、これを読んだ数日後に、ニュースを見ていて、森達也と『死刑』のことを思い出すことがあった。

岡山の「ホーム突き落とし事件」。ニュース番組で繰り返し放送されていた被害者の父のコメント。「はらわたが煮えくり返る思いだ」ってやつ。実際、この被害者の父はこのコメントの直前に「更生してほしい」という発言もしていたのだけど、そこをカットして「はらわたが~」の部分だけを放送していたニュース番組が幾つかあった。その中には、茨城の8人殺傷事件とセットで「不条理無差別殺人」として紹介して、偉そうな評論家が、死刑制度をきちんと確立させれば「刑務所に行きたい」なんて言って犯罪に走る奴はいなくなる、とか何とか言っていた。

たとえば『死刑』を読んでいない状態で、そんなニュースを見たら、そうだよなあ、やっぱ死刑制度は大事だよなあ、とか思っていたかもしれない。でも読んだあとだと、「死刑執行すべし」という主張が乱暴にTVのニュースで流されることも、事件と同じくらい恐ろしいことだと思った。

で、その流れでブランキー・ジェット・シティの「悪い人たち」の一節を思い出した。いきなり「悪い人たちがやってきて みんなを殺した」という歌詞から始まるブランキーの名曲。その中の「残酷な事件は いつの日からかみんなの 一番の退屈しのぎ 残酷性が強ければ強いほど 週刊誌は飛ぶように売れる」という歌詞。

ってことで、いろいろと本を読みながら考えさせられた。
誰も知ろうとしないことを、知られないようにガードされていることを、「実はこんなことになってるんすよ」と剥き出しにしてくれる、という意味では『A』『A2』、その他の森達也の著書に通じるところがあった。あとメディアを鵜呑みにするなかれ、って意味でも。

やっぱ森達也はロックだなあ、と思った。
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by hotel_rwanda | 2008-04-06 18:55 | BOOKS