ミズキユウタ30歳による、映画や音楽やお笑い芸人やその他イロイロについて思ったことと&何気ない日常を綴るブログです。


by hotel_rwanda
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2008年 04月 06日 ( 1 )

『死刑』 森達也

せっかくBOOKのカテゴリーを作っているのでたまには最近読んだ本のことでも書いてみようと思う。

オウム真理教を‘オウム側’から描いたドキュメンタリー映画『A』『A2』でおなじみの(?)森達也の最新著書『死刑』。

森達也本人が本の中で言っているように、コレは「死刑をめぐるロードムービー」であり、声高に死刑反対(存置)を訴えるものではない。ロードムービーがそうであるように、主人公(森達也)が、いろんな人に出会って、いろんなハナシを聞いて、いろんなことを考えて、悩んで、葛藤して、最終的に「何となく」結論らしきものに辿り着く。

そもそも死刑制度に賛成でも反対でもなかったが、如何に死刑制度について今まで無知であったかを痛感させられた。っつうのは、自分を含めてかなりの読者に共通する感想だと思う。

で、これを読んだ数日後に、ニュースを見ていて、森達也と『死刑』のことを思い出すことがあった。

岡山の「ホーム突き落とし事件」。ニュース番組で繰り返し放送されていた被害者の父のコメント。「はらわたが煮えくり返る思いだ」ってやつ。実際、この被害者の父はこのコメントの直前に「更生してほしい」という発言もしていたのだけど、そこをカットして「はらわたが~」の部分だけを放送していたニュース番組が幾つかあった。その中には、茨城の8人殺傷事件とセットで「不条理無差別殺人」として紹介して、偉そうな評論家が、死刑制度をきちんと確立させれば「刑務所に行きたい」なんて言って犯罪に走る奴はいなくなる、とか何とか言っていた。

たとえば『死刑』を読んでいない状態で、そんなニュースを見たら、そうだよなあ、やっぱ死刑制度は大事だよなあ、とか思っていたかもしれない。でも読んだあとだと、「死刑執行すべし」という主張が乱暴にTVのニュースで流されることも、事件と同じくらい恐ろしいことだと思った。

で、その流れでブランキー・ジェット・シティの「悪い人たち」の一節を思い出した。いきなり「悪い人たちがやってきて みんなを殺した」という歌詞から始まるブランキーの名曲。その中の「残酷な事件は いつの日からかみんなの 一番の退屈しのぎ 残酷性が強ければ強いほど 週刊誌は飛ぶように売れる」という歌詞。

ってことで、いろいろと本を読みながら考えさせられた。
誰も知ろうとしないことを、知られないようにガードされていることを、「実はこんなことになってるんすよ」と剥き出しにしてくれる、という意味では『A』『A2』、その他の森達也の著書に通じるところがあった。あとメディアを鵜呑みにするなかれ、って意味でも。

やっぱ森達也はロックだなあ、と思った。
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by hotel_rwanda | 2008-04-06 18:55 | BOOKS