ミズキユウタ30歳による、映画や音楽やお笑い芸人やその他イロイロについて思ったことと&何気ない日常を綴るブログです。


by hotel_rwanda
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『アキレスと亀』@テアトル新宿

映画が公開される1週間程前に『アキレスと亀』の‘完成披露試写会’を見学する機会があった。そこでゲストで登壇した北野武監督は「芸術や才能が評価される・されないよりも、芸術を追い求めることができる状況こそが、大切であり幸福なのではないか(日本という国に生まれたからこそ絵画や映画の道を追求することができるわけであって、これがアフリカの貧しい国だったらそうはいかない)」みたいなことを、武の付き人であるゾマホンのこと(アフリカと日本の経済的・文化的な格差)を引き合いに出しつつ語っていた。
まさか武からそんなストレート過ぎる発言があるとは思っていなかったので驚きつつも感動した。(試写会翌日のスポーツ新聞やワイドショーで紹介されていたのはその部分ではなくて「股の下のポニョ」とか「モナのせいで事務所が倒産寸前」ってとこだったけど。)

「オレたち、もう終わっちゃったのかなあ…」「バカやろう、まだ始まってもいねえよ」
というのは、『キッズ・リターン』のラストを締めくくる名台詞であり、自分にとって長年支えにしていた言葉であった。青春、仕事、友情、恋愛、貯金、etc。どれもこれも中途半端なまんまで自然消滅していくことが多いなかで、常に「まだ始まってもいない」という強がりだけが支えだった20代。そして三十路までいよいよ半年となり、相変わらず悩みは尽きない、というかむしろ増えている今日この頃、『アキレスと亀』に新しいヒントやエネルギーが隠されているのではないか、と勝手に思っていた。

そんなわけで公開初日に映画館へ。

ハッキリ言って、自分のあまりにも膨らみ過ぎた期待に応えてくれるような作品ではなかった。全北野武作品のなかでも6,7番目位の出来だと思う。正直ガッカリ感が無かったわけでもない。え!?これが北野作品?というような感覚に陥る場面もあった。『TAKESHIS』(これは凄く好きだけど)や『監督・ばんざい!』と地続きのようなスラップスティックぶりも、非常に微妙だった。最初のアニメーションと途中に挟み込まれるテロップは必要なかったと思う。
が、それでもあのラストシーン。ひねりも、衝撃も無い、むしろ予想通りのベタな展開のあのラストに思いのほか感動してしまったのは、それが「北野武」の映画だったからだと思う。

マック行って、新宿(or渋谷)行って、映画見て、タワレコ行って、吉野家行って、本屋行って、友達と飲みに行って…。
大学を卒業して以来、そんな同じような休日を繰り返し過ごし続けて、もう8年くらいになる。いったいいつまでこんなこと続けていくんだろう。更に8年後、40歳目前になっても、似たような休日を過ごしているのだろうか、だったらヤバイなあ、と最近つくづく思う。
でもその「ヤバイなあ」と思いながらも、そういう生活を「することができる」こと自体が、おんなじことを延々とやり続けることができる平凡な現実こそが、実は凄くシアワセなことなのだよなあ、と今こうしてブログを書きながら、『アキレスと亀』のことを考えていたら実感した。
なんだかんだいっても数年後には『アキレスと亀』が自分の中でとても大切な映画になっているのかもしれない。

そんなわけできっと来週も似たような休日を過ごすのだろう。
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by hotel_rwanda | 2008-09-21 23:03 | MOVIE