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ミズキユウタ30歳による、映画や音楽やお笑い芸人やその他イロイロについて思ったことと&何気ない日常を綴るブログです。


by hotel_rwanda
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『Sweet Rain 死神の精度』@新宿ジョイシネマ

『Sweet Rain 死神の精度』を見に行った。キャストもストーリーも特に惹かれるものはなかったのだけど、わざわざ映画館へ足を運んだ唯一の理由は、監督が筧昌也だったから。

で、突然ですが、以下は、3年半前にブログでもmixiでもなく、勝手気ままに書いていた我が「映画日記」の抜粋。原文ママ。


~ 『美女缶』。こちらはチラシとストーリーに惹かれて見に行った。監督は、CG系の映像ではプロフェッショナルとしてやっているらしいが、映画監督としては素人アガリの26歳(と、当日のトークショーで本人が言っていた)。
 これが実に素晴らしい作品だった。「ブサイクな隣人の部屋から次々に現れる美女。それを不審に思った主人公は、美女を生み出す缶詰‘美女缶’の存在を知る…」という妄想全開・ネタ一発の物語。
 撮りようによってはAVのストーリーでもおかしくない。ところが、これがSF・ファンタジー・ラブストーリー・コメディ・どんでん返しアリの傑作だったのである。予算も少ない、有名な役者がいるわけでもない、そんな状況でいかに観客をスクリーンにひきつけるのか。答えは単純。オハナシとしてオモシロイか否か、というだけだ。たとえば現在この国で公開されている映画のなかで、映像でも役者でもベストセラーの原作でもなく、「物語」としてお客を呼べる作品がどれだけあるでしょうか。なんてことは言いたくないけれど。トム・クルーズ目当てに劇場に行くこともあるけれど。お話としてツマラン映画は数日経てば中身なんてほとんど覚えていない。今回は久々に家に帰ってからも映画を見た興奮が冷めなかった。
 そしてこれを撮ったのが、オレと同い年の監督であるという事実。上映前のトークショーで中村麻美・小山田サユリというミニシアター系美人女優に挟まれて遠慮がちに堂々と自分の作品について語る彼。彼とオレの‘分かれ道’はどこだったのでしょうか。(2004/11/10) ~


 っつうことで、今思えばそこまで大絶賛するほどのものだったのかどうかは疑問だけど、2004年秋に観た筧監督(ちなみに↑では‘同い年’と書いているが、実際はオレの方が1歳若い模様) の『美女缶』のインパクトは、未だに覚えている。
 その後『美女缶』は、「世にも奇妙な物語」で妻夫木聡主演でリメイクされ、劇場公開時に同時上映だった、同じく筧監督作品「ロスタイムライフ」は、フジの人気テレビドラマ枠でドラマ化された。そして、間違いなく大抜擢だと思うのだが、筧監督は金城武という国際スターを擁する、いろんな会社がいろんな思惑で作る、メジャー映画を監督するまでになった。3年半前の「美女缶」に比べたら、「Sweet Rain」は、予算に0(ゼロ)が一つ増えたどころじゃ済まなかったと思う。

 で、実際の映画の感想。

 正直、「筧サン、残念です…」という感じ。この映画を作っている日テレやROBOT(製作会社)が、オレが今やっている仕事上付き合いがあるので、何とも歯切れが悪くなってしまうのだけど(と言いつつこんなヘッポコブログをそんな彼等が見ているわけないが)、一言で言うならば「つまらなかった」。でも、わずか3年半でここまで成り上がった筧監督に想いを馳せながら映画を観るのはなかなか普段は味わえない感覚だった。

 この3年半で、オレは2度の転職をして、2度のフリーター生活があり、その間に『ホテル・ルワンダ』署名運動があり、オリジン弁当のバイトで一回り以上年下の高校生にアゴで使われる日々があり、宣伝マンとして『チーム・バチスタの栄光』の撮影に同行する日々があり、なんやかんやで今は映画にメシを食わせてもらっている。2004年に『美女缶』を見たアノ日に、「オレも負けてはおれんぞ」と思ったのは確かだけど、まさかそんなことがその先に待ってるとは思ってもいなかった。

 今から3年後にも、筧監督が映画を撮り続けていたらイイなあ、と思う。
 自分自身も、今は全く予想のつかないことが、この先の3年間でたくさん起こればいいなあ、と思う。
by hotel_rwanda | 2008-04-25 01:35 | MOVIE