新宿ピカデリーに「剣岳」を見に行ったらそもそも上映していなかったので、代わりに
「おと・な・り」を見た。岡田准一と麻生久美子が出ている、アパートのお隣さん同士が、相手の姿を見たことが無いのにお互いの「生活音」をきっかけに恋に落ちる、という有り得ない設定の物語。
なので、そこで「んなことありえへんやろ!」と思ってしまうか、それとも「んなことがあったらエエなあ」と思うかで、この映画への評価は変わるかと思う。自分の場合は途中まではずっと前者だったのだが土壇場で後者になった。俺の真横に座った20代中盤と思われるカップルがお互いに敬語で会話しているのが、上映開始まで凄く気になった。一体この人たちはどんな関係なんだろうか。
【何の接点も無いように見える30歳の男性と女性が主人公で、それぞれが孤独を抱えながらも日々を不器用に生きていく様子が交互に描かれ、物語が進むにつれて、運命的にその男女が繋がっていることが明かされる…】
「おと・な・り」を説明するならそんなところだと思うが、これはそっくりそのまま村上春樹の「1Q84」にもあてはまる。ということに「おと・な・り」を半分くらいまで見て気付いた。ちなみに「1Q84」は「BOOK2」の残り3分の1くらいまで読んだ。いよいよクライマックス。
それにしてもどこもかしこも「1Q84」だ。特に電車の中。車両に最低一人は「1Q84」を読んでいる人がいる。何せ自分も読んでいる真っ最中だから、カバーをつけていても分かる。カバーとハードカバーの隙間の装丁の色とか、ページの隅っこにチラっと見える「青豆」「天吾」という文字で。昨日なんか両隣&目の前の吊り輪に捕まった人、3人の「1Q84」読者に囲まれた。禿げたオッサン、OL、フリーター。
最近見た映画。
「マン・オン・ワイヤー」
ワールド・トレード・センターを頂点として、世界各地で‘綱渡り’をすることに文字通り命をかけた男(とその仲間)の物語。事実に基づいたドキュメンタリー。前半ウトウトしたが、後半はスクリーンに釘付け。
「何故そんな狂ったことをするのか?」の問いに答える主人公のセリフに、涙腺が少し緩んだ。マイケル・ナイマンの音楽が例によって素晴らしく、「マイケル・ナイマンの音楽×無謀な夢に挑む男の物語」として
「ガタカ」を思い出した。
「レスラー」
大傑作まではいかないが、傑作。それにしても未だに謎なのは「王様のブランチ」でLiLiCoが生放送中にこの映画を泣きながら激賞して紹介していたこと。確かに素晴らしい作品だと思うのだけど、何がそんなに彼女の心を打ったのだろうか。
このあいだのテレビブロスの特集記事「ああ気持ち悪い!他人のブログ」は素晴らしかった。そしてそれにつられて
「ウェブはバカと暇人のもの」という本を買って、読み始めた。
で、もうブログやめようかなあ、と思った。
が、思い直して、もう少しだけ書いてみることにしました。
そんなこんなで2009年後半戦、よろしくお願いします。